臨床家のための総合情報誌 月刊「CLINIC NOTE」に掲載されました

プライマリケアを考える臨床家のための総合情報誌 月刊「CLINIC NOTE」No.124 2015 Nov 犬の副腎皮質機能低下症と副腎の超音波検査に掲載されました。
「獣医学領域における口腔内プロバイオティクスの課題と可能性」について獣医師3名の方に座談会というかたちで話し合っていただきました。
zadankai

獣医学領域における口腔内プロバイオティクスの課題と可能性

口腔内で菌交代を行い天然抗菌物質を産生させて有害な菌の増殖を抑える口腔内プロバイオティクスの獣医学領域での課題と可能性を、
口腔内疾患がご専門の幅田 功先生、網本昭輝先生、藤田桂一先生に話し合っていただきました。(編集部)

◆幅田:

私がStreptococcus salivarius(ストレプトコッカス・サリバリウス)K12・M18(以下K12、M18)を用いたプロバイオティクスに興味をもった契機は、口腔内で抗菌物質含有タンパク質が産生されると聞いたからです。
もともとヒトの口腔内に細菌叢として常在している菌だということがわかっているようですが、ニュージーランドのUniversity of OtagoのJohn Tagg先生が30年以上この研究をされており、ヒトではコンフィデンスの評価がなされているようです。

しかし、動物では研究が少なく、まだ確実なことはいえないようです。これらK12・M18がどのようなメカニズムのもとで作用し、有効性はどれくらいか、今後どのような研究が必要なのか、それを扱う上での注意点と将来的な期待を、網本先生、藤田先生のご意見を拝聴しながら考えていきたいと思います。

◆網本:

University of Otagoの研究では、健常者の2%ぐらいで、口臭を起こしにくいヒトがいることがわかり、そのヒトたちの口腔内の常在菌を調べたところ、K12・M18が発見されたということです。そのK12・M18が口臭を発生させる菌の発育を抑制したり阻止したりする効果があるという研究が発表1、2)されています。
口腔内に善玉菌を移植し、悪玉菌を制御する方法は、ヒト医学ではかなり共通した認識となっており、しかも世界的に使用されているようです。しかし、それをそのまま動物に応用できるかどうかは疑問です。その理由は、ヒトの口腔内細菌叢は犬や猫とかなり違うためです。

しかし、ヒトの歯周病菌を犬の歯周病菌がきわめて類似した種類である、あるいは共通した種類もあるということもあり、そういう細菌は抑制されるだろうとの予測の下で犬に使用したら効果が現れたという発表3)もありました。私は2011年ごろ、ヒトのK12(製品名Pro bio K12)を紹介されました。
いったん休止していましたが、動物用が出たので、改めていろいろな資料を調べてみましたが、犬や猫での使用成績・安全性がしっかり証明されれば、さまざまな使い…

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